安全管理研修
世界では、毎年3億7,000万人近くの人が、労働災害で負傷しています。(国際労働機関(ILO)統計より)
アジアは世界平均を上回る労災発生率を記録しており、特に、東南アジア地域では、政府が労働災害に関する情報公開すらしていないこともあります。
行政も民間も安全に対する意識が低い環境で育った外国人材に、日本の安全基準を教えないまま、また、日本人の「当たり前」で接することで外国人材の労働災害が発生します。
本研修では、そうした外国人材の方々に、母国と日本の安全基準の差を実感してもらい、事故の危険性を体感してもらうを主眼に置いています。
安全について、基本的な考え方、知識を学び、危険予知シートやグループワークを行い、主体的に安全について考え、身につける場を提供いたします。
安全や事故について「安全第一」という基本的な”意識”、危険を避けるための”知識”、危険を”予防”する方法という安全管理の重要3要素について、各業界に応じた事例・内容をカスタマイズして研修が可能です。
本研修は、外国人の現場の安全管理に関して、建設業や製造業といった様々な業界で、毎年1500名以上の外国人材へ教育を行う専門家が監修しています。
対象者/活用シチュエーション
- 入社直後で安全研修を受けたことのない外国人従業員
- 今まで元請や協力会の研修を日本語で受けていた外国人従業員
- ヒヤリハットや労働災害が起きた後の注意喚起
- 協力会や下請等、協力・関係企業を集めて安全研修を行いたい場合
等
研修時間・プログラム
- 標準研修時間:2時間
※30分~1時間の短時間×複数回、事例やグループワークを実施し半日~1日での開催も可能です。
プログラム例
- テーマ
- 内容
- ①イントロダクション
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- 実際の事故の、リアルな写真の共有
※意識付けのためにショッキングな写真も使用します。
- 外国人の労働災害の統計データの共有
- 実際の事故の、リアルな写真の共有
- ②日本の建設業における労働災害の現状
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- 各業界にあわせた内容で労災のデータの共有。
- 事故の件数や原因、いつ事故が起きるか
- ③安全対策
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- 安全対策の歴史的背景の共有
- 危険予知トレーニングの説明
- KYT基礎4ラウンド法の説明
- ④危険予知トレーニング
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- 危険予知シートで実際の現場写真を用いて危険予知・問題点発見、対策検討、行動目標・スローガン制作を実施
- ⑤危険を避けるための日本語
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- 今すぐ覚えてほしい5つの言葉、3つの漢字
- 現場で使われる標識、サインの説明
- 現場でよく使われる言葉
※業界・現場、会社に即してカスタマイズいたします。
- ⑥まとめ
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- 「事故を起こさない」「事故にあわない」ために重要な3つのこと
- 当社オリジナル Safety Cardの配布と説明
- ⑦事例集
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- 各業界の労働災害事例集説明
本研修の効果
- 外国人材が、日本と母国の安全基準の違いについて知識と意識が身につきます
- 外国人材が、現場で安全行動について主体的に考え、行動することができます
- 労災発生の減少、また、労災予防に向けた企業としての安全配慮義務を達成できます
- SDGsターゲット8.8「移民労働者、特に女性の移民労働者や不安定な雇用状態にある労働者など、すべての労働者の権利を保護し、安全、安心な労働環境を促進する」の達成に貢献できます
研修教材例
実際に研修で使用するスライドについて、一部公開をしております。
内容や翻訳については、カスタマイズ可能ですので、お気軽にお問い合わせください。
受講企業様の声
大手中食ベンダーA社様(従業員規模1000人以上)
企画担当者様より(人事)
当社では、全国の各工場で外国人を活用していますが、各工場での安全に関する課題を集約した上で研修を企画、実施しました。 特に、当社では、「ご飯を使用する惣菜製造の工程において機械のカッター部に詰まったご飯を掻き出そうと保護具を使用せずに指を負傷する」といった、保護具不着用による労災の発生について、各工場で課題がありました。
そこで、各工場の労災事例や、他社での類似した労災事例をもとに、どうしたら事故を防げるか、保護具を使用しないと、どのような怪我になるか、リアルな写真等も研修で活用いただき、かつ、母国語で意見を出してもらって、ワールディング社の通訳を介して、外国人従業員へフィードバックできたのは、大変効果的だったと感じています。
参加した外国人従業員の声
私はいつも保護具をつけているから大丈夫、と思っていましたが、保護具をつけていても、注意しないと機械にはさまれて、指がなくなるのは怖いと感じました。慣れている仕事でも、体調が悪いと事故が起こると分かりましたので、健康に気を付けて睡眠をよくとるようにします。あとは、新しい機械を使う時は、必ず、怪我をしないように注意することを確認してから作業します。
建設企業B社様(従業員30名以上)
企画担当者より(経営者)
当社は、労災がおきると命に関わる現場で働いているため、安全については特に外国人に教えたい分野でした。
当社内での安全教育や、元請の安全講習にも参加させていましたが、現場や人によって使う言葉が変わったり、特に、当社では方言が強い地域ということもあり、例えば、「ひどっとけ(さがっとけ)」という言葉が通じず、事故につながったこともあります。
そこで、安全研修では、専門用語だけでなく、日本人が実際に使う口語、方言も内容にとりいれてもらい、実際に声に出してトレーニングを行いました。
地場の元請からの評判もよく、次回は安全大会で実施を行う予定です。
参加した外国人従業員の声
安全については、入国してから講習施設(当社アジア人財キャリアデザインセンター)でも、会社でも、たくさん勉強しました。しかし、現場で仕事をするうちに忘れていたこともありました。外国人の事故が増えていることを意識できていませんでした。知らなかった言葉をもっと勉強して、安全に仕事をします。